はじめに |
はじめに | このテキストは、ものづくりの現場で中心的な役割を果す第一線監督者の課題を中心に述べてあります。 生産に携わる技術者としても、ものづくりの現場とは何かを知ることができると思います。 |
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目 次 | ||
初任監督者の心得 | ||
監督者の役割 | ||
生産の知識 | ||
作業の知識 | ||
部下の教育 | ![]() |
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品質の知識 | ||
QC7つ道具 | ||
コストの知識 | ||
固有技術 | ||
管理技術 | ||
各種の計算式 | ![]() |
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外国人労働者 | ||
トピックス | ||
ご質問の回答 | ||
お問い合わせ | ||
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海外でも働ける技術者と監督者のために
このサイトをご覧いただきありがとうございます。「ものづくり」に携わる監督者の皆様のために、少しでもお役に立てることを願って作成したものです。このサイトはものづくりの現場で数十年にわたり経験と実践してきたことをまとめました。特に、毎日現場で忙しい日々を送っておられる技術者、監督者の方々にご自分の仕事を見直し、仕事の効率を高め、品質の改善などに参考にしていただければ幸甚です。
さらに、「ものづくり」に興味のある皆様にも、ものづくりの面白さや難しさを少しでも知っていただければと思います。
なお、閲覧の便宜を考慮して、同じ記述や作表類を重複して掲載しているところがあります。ご了承ください。
私は、現役時代は、ものづくりの工場で働き、さらに定年後も海外で、ものづくりの支援をしてきました。そこで感じたものは、現場の監督者の力が如何に重要であるかということでした。私は現場で働く技術者や監督者の皆さまに期待したのは、日本はもとより世界で通用する、一人で海外で働ける技術者や監督者になっていただくことです。ものづくりの技術がどんなに進んでも、どんなに自動化されても「ものづくりの現場」はなくならないのです。むしろ第一線監督者の力が一層必要とされると思っています。
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将来の技術者と監督者のために
人口減少の続く日本の働き手は、これからも減り続けると考えられています。そこで、政府は外国労働者の受け入れで急場をしのごうとしていますが、問題も山積しています。海外では作業の自動化、ロボット化が急速に進んでいますが、どういうわけか賃金が高いといわれていた日本は、鈍い気がしています。日本より給料の安い中国でさえ積極的に自動化に取り組んでいます。
これからのものづくりの現場は、自動化が避けられません。
①作業の自動化(既にロボット化が始まっています)
②部品や製品の搬送自動化(地上や空中も含む)
③製品検査の自動化(AIロボットによる検査)
④部品や製品の形状、色などの認識情報の自動識別化
⑤機械や設備の自動故障診断と自動修復の自動化
⑥自動車の自動運転に類する機械や設備の自動運転化
⑦事務作業の自動化
このように、繰り返しのある作業は、フル自動化(作業者等が全くタッチしないで運転すること)が実施されるようになってきます。これからの監督者は、繰り返しのない(又は非常にまれな)作業のみ生き残れると考えています。ものづくりの原理原則を理解している監督者の強みはここにあると思います。
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お客さまを向いて
「自分の仕事は、自分のためにするのではなくお客さまのためにする」というのが、私の常に仕事に取り組む基本的な姿勢です。上司は当然さらに「部下(作業者)のために仕事をする」ことも含むものです。しかし、作業者は上司の工長を向いて作業するのではなく、お客さま(次工程)を向いて仕事をしなければなりません。このように、あなたの仕事の「お客さまは誰か」をしっかり自覚することが大切です。仕事の内容によってもお客さまは変わります。常に一定ではありません。一人でもありません。ですから、「この仕事のお客さまは誰か」を常に意識して、仕事をしなければならないと考えています。この軸をしっかり持っておれば、何が正しく、何が誤りかもよく見えてくるはずです。しかしながら、自分のために仕事をしていることがよく見られるのは残念です。よく「上を向いて仕事をする」ことがいわれますが、これではいろいろなゆがみが出てきます。最近「上を忖度して仕事をする」官僚が話題になりました。一部の人の利益のために働くとか、自分さえ良ければそれでよし、相手をだましても騙された方が悪いなどというような考えでは、やがて自分自身に破綻をもたらすことは目に見えています。
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このテキストの活用を願って
このテキストでは、重要な単語は赤字にしてあります。ご自分で参考になると思われる部分には、赤線を引くなどして見やすくしてみてはどうでしょうか?あるいは自分の考えを追加するなどもできます。さらに、印刷して日常の机の引き出しに入れておき、必要な時に読んでみるなどして使ってくだされば幸いです。
なお、技術者のための参考情報として、パソコン用のサイトをつくってあります。画面が大きいので表類は見やすくなっています。(https://tftosa.robots.jp/)
私は、今まで多くの先輩,上長、同僚に支えられてきました。そして、多くのことを教えていただきました。その一部をここにお返ししたいと思っております。少しでも、皆様のお役に立てれば幸いです。
2019.8.15 高知にて
著者略歴 |
自己紹介 | 福島敏男(福島技術士事務所代表) |
学 歴 | 産業能率短大 生産能率科卒 |
職 歴 | 1.自動車メーカー組立工場 生産技術担当(約15年) 2.同上海外部門 海外生産担当(約20年) 3.部品メーカー出向 営業担当(約7年) 4.福島技術士事務所 ものづくり支援(約20年現在に至る) |
職務の内容 |
1.生産技術(組立技術、溶接技術)、組立自動化、設備改善、組立治具計画 2.生産管理、品質管理、現場管理、コストダウン、 3.海外生産(生産立ち上げ、工場計画、工場建設、技術移転)、現地調査 4.監督者教育、現場の基幹要員の育成、海外要員の育成 5.海外技術支援(品質向上、組立設備計画) |
福島技術士事務所 | 1.中小企業の生産技術支援 2.海外企業の品質向上支援 3.海外企業の新製品治具計画支援 4.その他海外進出支援等 |
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